寄り道すると・・・

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■■ 優先順位のツボ ■■  2016.7.10 Vol.101

本日のテーマ:寄り道すると・・・

音声はこちらから・・・

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社会保険労務士の篠原です。

先週は関与先から労災の相談が
2件入りました。

どちらも通勤の途中に事故に
巻き込まれ、けがをしたと
いうことです。

大事には至らなかったものの、
交通事故は怖いですね。

労災として認められるのかは、
労働基準監督署の判断次第と
なるわけですが、

仕事中にその仕事が原因で
負傷する業務災害と違って、

通勤災害は、

「合理的な経路及び方法」

により行う通勤中の災害と
決められていて、

移動の経路を逸脱し、

又は移動を中断した場合には、

逸脱又は中断の間及びその後の
移動は「通勤」とはなりません。

簡単に言うと、職場からいつもの
ルートでまっすぐ帰宅する途中に、

一杯飲むために居酒屋に
寄ってしまっては

ダメだ(認められない)

ということです。

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本日のテーマ:寄り道すると・・・
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労災について、
先日、画期的な判決が出ました。

会社の歓送迎会に参加した後、

仕事をする為、会社へ戻る途中に
交通事故を起こして死亡した

男性の遺族が行った
労災の遺族補償給付申請を

「死亡は業務と関連しない。」として、

労働基準監督署が不支給としたため、
処分の取り消しを求めていた事案です。

東京地裁は「参加は本人の意思」として
遺族の訴えを退け、東京高裁も支持、

ところが、最高裁は

「労災に当たる。」との判断を
示しました。

通勤ではなく、業務上です。

男性が一度は断ったが、
上司に促されて参加したこと、

会費が会社の経費で支払われたこと、

送迎には社有車が使われたこと、

こういった事情から、歓送迎会が

「事業活動に密接に関連していた。」

と認定しました。

「男性は会に参加しないわけには
いかない状況に置かれて、
事故の際も会社の支配下にあった。」

と判断したようです。

懇親会もやり方次第によっては、

会社の責任を問われることに
なりそうです。