第1回 古城 一 社長(株式会社古城)

私の住む「おんせん県おおいた」には素敵な社長がたくさんいらっしゃいます。

地方だけにどうしても埋もれがちですが、その素晴らしい取組を広く紹介したいと思い、

コラム「大分のしんけんスゴイ社長」を始めました。

 

そもそも、“スゴイ”という定義ですが、
業績を伸ばしているとか、画期的な新製品を開発したとか、有名とかよりも

(もちろんそれらも大事ですが)、いつも頭の中にあるのは「社員の幸せ」

そんな感覚わかるよね~という社長を不定期で紹介していきます。

 

どうぞお楽しみに。

 

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となると、記念すべき1回目は、絶対にこの方と決めていました。

 

株式会社古城の
古城一(こじょう はじめ)社長です。

 

<略歴>

株式会社古城 代表取締役社長
昭和38年 大分市生まれ。大分舞鶴高校卒業後、慶應義塾大学に進学し、昭和61年ソニー株式会社に入社。平成3年に先代(実父)の急逝により帰郷。専務取締役を経て平成7年より現職。

 

<会社概要> https://www.kojoh.co.jp/

創業昭和21年 IT・OAソリューション、建設・測量ICTソリューション、医療現場IT・OAソリューション、オフィスプランニング等

 

「ワーク・ライフ・バランス」というキーワードで私を見つけていただき、ホームページから
お問い合わせをくださったのが3年ほど前。そこから、社員研修や会社主催の講演会などで
ご依頼をいただくようになったのがお付き合いの始まりです。

まあ、私自身がどこまでお役に立てたかわかりませんが。

 

最初にお会いしての第一印象はとにかく「爽やか」の一言。これは誰もが感じることでしょう。

 

年齢は私より少し先輩ですが、とても若々しく、
また、そんな外見だけではなく古城社長のことを悪くいう人は、私の周りにはいないというのも尊敬できる理由の1つです。

 

【 驚きの経営理念 】

 

何より感銘を受けたのが、初めてお会いした時に見た会社の経営理念だったのです。

 

 

そこに書かれていた1つが「社員の幸せ」
まさに、このコラムを始めようと思ったキッカケ、どストライク!

 

会社の目的、存在意義ですよ。何のために会社が存在しているのかというと、
社員の幸せの追求というのです。これにはびっくりしました。

大分にもこんな社長がいるのかと。

 

先代の社長から事業承継をした時にご自分で考えたとのことです。

 

まだまだ発展途上と謙遜される古城社長ですが、そんな経営理念を土台とした取組は、
とても参考になります。

 

そんな古城社長の取組の一例を紹介します。

 

【 株式会社古城の取組 】

 

① フリーアドレス制

 

 

席を固定せずに、当日の気分で好きな場所に座ることができます。

席が固定化されてしまうと、どうしても同じメンバーで同じ会話になってしまう。
そこから新しい発想は生まれにくい。

たまたま違う上司の隣に座ったら、目から鱗のアドバイスをいただいた
なんて話も頻繁にあるそうです。

部署の垣根を超えたワンチームへの取組とも言えますね。

 

また、書類を机の上に積み上げたり、引き出しにしまい込むといったことも
無くなったので、ペーパーレスや整理整頓が進んだそうです。

 

② 社内アンケートボックス

つまり、目安箱ですね。これを嫌う社長も少なくありません。

なぜなら、社員が好き勝手言いだすと、色々な問題点が表に出てしまうかもしれないと
恐れるからです。でも、古城社長は逃げませんでした。

なんと、営業朝礼を思い切って廃止したのも、若手社員の投稿からでした。

できる事とできない事は分けるとして、意見や相談を聞いてくれる、
実際に改善してくれるという雰囲気を作ることで、社内の風通しも良くなるでしょう。

 

③ アルコールチェッカー

 

 

運送会社が使うような高性能なタイプを社内に設置、毎朝チェックしています。

働き方改革を推進するにあたり、残業は減ったが、家に帰ってもやることが無い
という社員もいるだろうという想定で、お酒に走らないように導入したということです。

これも面白い取組ですね。

今では、どれぐらい飲むと翌日に機械が反応するかわかるようになり、
社内の懇親会でも後半はウーロン茶などのソフトドリンクを飲むので、
翌日の生産性にも影響しなくなったそうです。

 

 

どの会社も同じですが、会社の取組だけ先行すると、社員の意識改革が追いついていかず、
改革が失敗に終わるケースは少なくありません。トップの強い決意が必要です。

 

実際に、残業・休日出勤当たり前というモーレツ社員だった役員の方が、
孫が生まれたことをきっかけに、業績を上げながら定時で帰るにはどうすれば良いかを
考えるように意識が変わったそうです。

古城社長が改革への強い想いを言い続けた結果でしょう。

 

 

社長と社員の距離が近いのもこの会社の特徴です。

 

これまで6か月毎に行っていた社長と社員の個人面談を3か月毎に変更しました。

お忙しい社長業の合間を縫って、多くの社員との面談はかなり大変だと思いますが、
期間を短縮することで、プライベートも含めた変化に素早く対応ができようになり、
離職率も大きく減ったそうです。

 

【 働き方改革の効果 】

 

・若手社員がイキイキしてきた。

・中堅、ベテラン社員も余暇の使い方がうまくなった。

・全社員にタイムマネジメントの意識が出てきた。

・リクルート面でも想像以上のメリットがあった。

・自社の挑戦(取組)を顧客に発信できる。

 

中小企業にとって「働き方改革」は決して低いハードルではありませんが、
経営理念を土台とした取組で、自社だけではなく大分の元気のためにも
走り続けていっていただきたい社長です。